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コンバージェンスの背景

コンバージェンスの背景は、2005年から欧州市場において上場する域内企業が作成する連結財務諸表にIFRSを適用することが義務付けられることとなったことに端を発している。欧州市場において資金調達を行う日本企業が採用する会計基準、すなわち日本の会計基準が欧州市場で評価されず、結果、欧州市場において日本基準で作成された財務諸表が受け入れられなくなる事態を招かないために、IFRSに対する日本基準のコンバージェンス検討が開始された。

2005年7月に欧州証券規制当局委員会(CESR)により、IFRSと日本基準との間における会計基準の同等性評価が行われた。評価の結果、CESRはIFRSと日本基準は「全体として同等」としながらも、26項目の差異があると報告し、一定の補完措置を求めた。

CESR指摘のコンバージェンス26項目

1 株式報酬(IFRS 2)
2 取得原価での少数株主持分(IFRS 3)
3 段階的取得(IFRS 3)
4 異常危険準備金(IFRS 4)
5 工事契約(IAS 11)
6 不良債権(IAS 12, IAS 30)(開示が既になされている場合を除く)
7 資産の除去債務に関する費用(IAS 16)
8 従業員給付(IAS 19)
9 のれんの換算(IAS 21)
10 デリバティブの公正価値(IAS 32)
11 減損の戻入(IAS 36)
12 廃棄費用(IAS 37)
13 投資不動産(IAS 40)
14 株式報酬(IFRS 2)
15 交換日(IFRS 3)
16 取得した研究開発費(IFRS 3)
17 負ののれん(IFRS 3)
18 後入先出法の使用及び原価法(IAS 2)
19 会計方針の統一(IAS 28)
20 減損テスト-割引前将来キャッシュフロー(IAS 36)
21 開発費用の資産化(IAS 38)
22 農業(IAS 41)
23 持分プーリング法(IFRS 3)
24 連結の範囲(支配の定義-適格SPE)(IAS 27)
25 会計方針の統一(IAS 27)
26 金融商品(IAS 39)

ASBJはこれを受けて、2006年10月に、「我が国会計基準の開発に関するプロジェクト計画について-EUによる同等性評価等を視野に入れたコンバージェンスへの取組み-」を公表。

CESRから補完措置が提案されている26項目の取り組み状況について、2007年末までの作業計画と2008年年初の達成状況の見通しを明らかにすることに主眼を置いた「プロジェクト計画表」を示すこととなった。

その後、コンバージェンスプロジェクトは進捗し、計画書も適宜更新されている。

最新のプロジェクト計画表と進捗はこちらより参照可能となっている。

関連エントリー:
コンバージェンス
CESR

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IFRS基準書の入手方法

IFRS基準書の基準本体部分は、IASBのWEBサイトから無料で閲覧が可能です。(ユーザ登録必要/英文)。
IASB web site(Access the unaccompanied IFRSs)

なお、基準本体に付属する設例、適用ガイダンス、結論の根拠については、有料で提供されています。

日本語翻訳版は↓です。

国際財務報告基準(IFRS)2009 IASCF公認日本語版
国際財務報告基準(IFRS)〈2009〉

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IFRS/IFRIC一覧

IFRSの一覧です。
なお、IASBのウェブサイトでIFRSの基準本体部分については無料で閲覧できます。(ユーザ登録必要/英文です。)

IFRS一覧

IFRS第1号 国際財務報告基準の初度適用
IFRS第2号 株式報酬
IFRS第3号 企業結合
IFRS第4号 保険契約
IFRS第5号 売却目的で保有する非流動資産及び廃止資産
IFRS第6号 鉱物資源の探査及び評価
IFRS第7号 金融商品:開示
IFRS第8号 事業セグメント
IAS第1号 財務諸表の表示
IAS第2号 棚卸資産
IAS第7号 キャッシュ・フロー計算書
IAS第8号 会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬
IAS第10号 後発事象
IAS第11号 工事契約
IAS第12号 法人所得税
IAS第16号 有形固定資産
IAS第17号 リース
IAS第18号 収益
IAS第19号 従業員給付
IAS第20号 政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
IAS第21号 外国為替レート変動の影響
IAS第23号 借入費用
IAS第24号 関連当事者についての開示
IAS第26号 退職給付制度の会計及び報告
IAS第27号 連結及び個別財務諸表
IAS第28号 個別会社に対する投資
IAS第29号 超インフレ経済下における財務報告
IAS第31号 ジョイント・ベンチャーに対する持分
IAS第32号 金融商品:表示
IAS第33号 1株当たり利益
IAS第34号 中間財務報告
IAS第36号 資産の減損
IAS第37号 引当金、偶発負債及び偶発資産
IAS第38号 無形資産
IAS第39号 金融商品:認識及び測定
IAS第40号 投資不動産
IAS第41号 農業

IFRIC一覧

IFRIC第1号 廃棄、原状回復及びそれらに類似する既存の負債の変動
IFRIC第2号 共同組合に対する組合員の持分及び類似の金融商品
IFRIC第4号 契約にリースが含まれているか否かの判断
IFRIC第5号 廃棄、原状回復及び環境再生ファンドから生じる持分に対する権利
IFRIC第6号 特定市場への参加から生じる負債-電気・電子機器廃棄物
IFRIC第7号 IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に規定される修正再表示アプローチの適用
IFRIC第9号 組込デリバティブの再査定
IFRIC第10号 中間財務報告と減損
IFRIC第12号 サービス委譲契約
IFRIC第13号 カスタマー・ロイヤルティ・プログラム
IFRIC第14号 IAS第19号-給付建資産の上限、最低積立要求及びそれらの相互作用
IFRIC第15号 不動産の建設に関する契約
IFRIC第16号 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
IFRIC第17号 所有者に対する非現金資産の分配
SIC第7号 ユーロの導入
SIC第10号 政府援助-営業活動と個別的な関係がない場合
SIC第12号 連結-特別目的事業体
SIC第13号 共同支配企業-共同支配投資企業による非貨幣性資産の拠出
SIC第15号 オペレーティング・リース-インセンティブ
SIC第21号 法人所得税-再評価された非減価償却資産の回収
SIC第25号 法人所得税-企業又は株主の課税上の地位の変化
SIC第27号 リースの法形式を伴う取引の実質の評価
SIC第29号 サービス委譲契約:開示
SIC第31号 収益-宣伝サービスを伴うバーター取引
SIC第32号 無形資産-ウェブサイト費用

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IFRS (International Financial Reporting Standards)とは

IFRSとは何か?

「国際財務報告基準(IFRS)」とはIASBが策定する会計基準である。前身のIASC時代に作られた会計基準は「国際会計基準(IAS)」と呼ばれていたが、IASはIASBに継承されている。個々のIFRS及びIASはIASBが定款に定められた適切なデュープロセスに基づいて順次改訂、見直しを行っている(参考:PWC Japan IASBプロジェクト計画表)。

IFRSへの会計基準統一化の流れ

米国、日本においては、自国の基準をIFRSに近づける「コンバージェンス」が進められてきたが、欧州連合(EU)がEU域内上場企業に対し連結財務諸表にIFRSの適用を義務付け、域外上場企業にも「IFRS又はこれと同等の会計基準」の適用を義務付けたことを契機に、IFRSを自国の基準として採用する「アドプション」を表明する国が急速に増加し、世界的に「アドプション」への方向転換が加速化した。
これは、金融市場の覇権を目論んでいたEUの思惑と、米国企業であるエンロンやワールドコムなどの粉飾等による米国会計基準の地位低下が招いた潮流であるとも言われている。

米国は米国財務会計基準審議会(FASB)とIASBが共同で「コンバージェンス」を進めてきたが、同時に、米国証券取引委員会(SEC)は2007年11月に外国企業がIFRSに準拠した財務諸表を調整表なしで認める規則を公表、さらに2008年には米国企業に対するIFRS適用の可能性に関しロードマップ案を公表することを決議、同年11月にロードマップ案を公表した。

日本においても、企業会計基準委員会(ASBJ)がIASBと共同で「コンバージェンス」プロジェクトを進めてきたが、米国の動向を受け、IFRSの採用に向けた議論が活発となった。企業会計審議会・企画調整部会は2009年2月4日に「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」(コメント期限:2009年4月6日)を公表、意見募集を行った上で、同年6月に「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」を公表した。その骨子は、IFRSの任意適用については、2010年3月期の年度財務諸表から一定の上場企業の連結財務諸表に認め、強制適用については2012年を判断の目途とするものである。

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